フリースタイルバトルで数多の大会で優勝し、名勝負を量産したことから『最恐の妖怪』の異名を持つ輪入道。
フリースタイルダンジョンで一躍有名になった彼を今回は更にDigってみましょう。
輪入道のプロフィール
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| MCネーム | 輪入道 |
|---|---|
| 本名 | – |
| 生年月日 | 1990年2月7日 |
| 出身 | 千葉県検見川浜 |
| SNS | Twitter / Instagram |
名前の由来・読み方
輪入道の名前の由来は水木しげるが好きだったことから、妖怪の輪入道から名前を取ったと語っています。
水木しげる版の妖怪は日本の伝承に伝わる妖怪に脚色を加えたものが多いですが、輪入道にも物をダイヤモンドに変える能力を付け加えています。
この事を『ヒップホップだな』と感じた輪入道は、ラッパー名としてチョイスしたとの事です。
本人の自伝『俺はやる』によると、初めてステージに上がる際、どうせなら好きな物から名前を取ろうと思ったとのことで、最初は『火車』と書いて「かえんぐるま」が第一候補だったそうですが、既にインディーズバンドに名前を使われていたことから『輪入道』に落ち着いたそうです。
生い立ち
レペゼン千葉を常々公表している通り、輪入道は千葉県検見川浜出身です。
PVにも千葉のラッパーや街並みが多数登場し、千葉ロッテマリーンズの公式応援ソング『Pinstripe Pride』を発表するなど愛着はとても強い模様です。
また、MCバトルで千葉のシーンから叩き上げで出世した輪入道、地元のヒップホップアーティストには自伝でも熱烈なリスペクトを送っており、代表曲の一つである『俺はやる』は千葉の大先輩であるSOUL SCREAMのHAB I SCREAMが元々のトラックを手掛け、製作の上で多くのアドバイスを貰うなど、地元に根差した活動を続けています。
彼女または彼氏
過去にフィメールラッパーである椿と付き合っていたと言う噂もある輪入道。
女性遍歴に関しても自著で触れており、楽曲『So Dark』の中でも明確に
「女と住んでた２年間はまるでPV/別れることになった理由は俺のDV」
と語っている通り、壮絶な過去の一端で苦い思い出があります。
この曲はアルバム『左回りの時計』ではピー音で隠されている部分がいくつかありますが、ライブアルバム『俺はやるVol.1』では無修正の物を聴くことが可能です。
過去の恋愛歴から初体験まで自伝で曝け出す輪入道の不器用な誠実さがここでも見ることが出来ます。
結婚
現在は2020年に結婚したことを公言していますが、自伝では事実婚と書いています。
地方の現場で出会った女性は泥酔して彼女にもたれかかった輪入道にドン引きしたそうですが、順調に仲良くなり1年後には結婚の話が出たそうです。
事実婚の背景には輪入道の両親との確執があるそうで、この出来事はアルバム『光』を製作している段階のことだったと語っています。
家族
上記にも出ている通り、また、楽曲にも度々出ている通り、輪入道の家庭は相当複雑である模様を本人が言及しています。
元々サラリーマンと専業主婦の間に生まれたそうですが過保護だったそうで、父親は厳格で真面目な、輪入道曰く男気のある人だそうです。
母親も教育熱心で融通が利かない人で、輪入道は父と違うタイプの真面目な人と評しています。
輪入道は高校を中退しラップに専念しますが、18歳になった頃に母親が不倫相手と駆け落ち、そして自殺未遂をした際にストレスで家族の事を含めた記憶を喪失するというショッキングな体験をしています。
また、妹の存在もリリックにしていますが、本人が親に反発していたこともあってあまり仲は良くない様子です。
非常に複雑な家庭環境ですが、本が周りにある環境、そしてMDを買ってもらったことが輪入道の原点であり、家族を愛していたと自伝に綴っています。
ファッション
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硬派なツーブロックが輪入道のトレードマークですが、ファッションも正統派のヒップホップファッションとはやや異なる物です。
和柄のアイテムなど所謂ヤンキーファッションを着用しているのも特徴ですが、PizzaLoveやなかむらみなみが着用するなど近年特に若い世代のラッパーと密接なGALFYを着用していることもあり、フリースタイルダンジョンではT-Paplowにイジられた事もあります。
PizzaLoveの楽曲『GALFY2』にも参加しており、輪入道のキャラクターにマッチしたブランドです。
また、SUBCIETYやチャライダーなど、ややサブカル寄りのストリートブランドを着用している姿も見られます。
輪入道の過去・経歴
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Hiphopとの出会い
輪入道がヒップホップで最初に影響を受けたのは般若だと語っています。
中学生の頃、友達とのカラオケや共通の話題のためJ -POPを聴いていたものの、既に小学校から本の虫だった輪入道にはリリックの強度が弱く感じられたそうですが、友達に勧められたDABOやKICK THE CAN CREWの力強いリリックに魅力を感じたそうです。
別の友達にNirvanaやNUNBER GIRLと言ったロックも沢山教えてもらったそうですが、般若の『おはよう日本』を聴いた時のリリックは衝撃的であったと語っています。
今でも『おはよう日本』のリリックはソラで歌えると語っていることから、相当の衝撃だったようです。
Hiphopを始めたきっかけ
高校2年生から地元のクラブにヒップホップのライブを観に行くようになった輪入道は、MARONという同い年のラッパーと仲良くなります。
ラップは本当に凄い人じゃないと出来ないと思っていた輪入道ですが、地元のライブに行くと上手い人も下手な人もフライヤーに名前が載っているのを見て自分もやりたいと思ったそうです。
2回目に行ったライブで八王子のラッパー・ANCELLと出会いサイファーをするようになり、曲もないまま初ライブを迎えたと語っています。
ちなみに、当時はバックDJをしてくれる知人も居らず、童子-Tのインストをバックにフリースタイルをしたそうです。
ラッパーとしての経歴
持ち曲がないままフリースタイルだけでライブを重ねていた輪入道はある日、千葉で開催されたMCバトル『REPRESENT MC BATTLE』に参戦。崇勲、PONEY、TK da 黒ぶち、そしてZORNまで出場していたこのバトルで優勝します。
その後もフリースタイルで飛び入りなどを続ける中でポエトリーラッパーとして有名な狐火と出会い、イベントに誘われる中で福島のラッパーである鬼に出会います。
その後、鬼一家のメンバーに仕事を斡旋してもらうなど行動を共にした後、数々のバトルに出場しながら2013にファーストアルバム『片割れ』を発表。
2014にはMCバトルで9大会優勝の偉業を果たし、翌2015年には長渕剛の富士山オールナイトライブに呼ばれるなどしますが、この時に突発性難聴が悪化したと語っています。
2016年にフリースタイルダンジョン初登場、この時はチャレンジャーとして参戦でしたが初代モンスターである漢a.k.aGAMIと名勝負を繰り広げ話題になりました。
以降もフリースタイルダンジョン２代目モンスター、主要な大会に出場などMCバトルでは第一線に立ち続けながら、2017年に『左回りの時計』、2019年に『HAPPY BIRTHDAY』を発表するなど、音源もコンスタントに発表し続けています。
暗い過去
輪入道は鬼一家時代に覚醒剤に手を出した事を告白しています。
この件については彼女についての件で触れたように『So Dark』でピー音付きですがリリックにされています。
このリリック前後も本人があまり過去や私生活について語っていませんでしたが、自伝で克明に語っており、以降は音源やバトルなどで言及しつつ二度と過去には戻らないことを力強く宣言しています。
また、ライブの影響で突発性難聴を発症しており、長渕剛の大規模なライブに参加して以降、左耳はほとんど聞こえないと語っていますが、この件を岡山にライブに行った際、紅桜に相談したところ
「片方聴こえてるならええじゃろ。ムカつく奴がいたら、右耳を突き出してしっかり聴けばええだろ」
という破天荒な紅桜らしい回答が返ってきて吹っ切れたと語っています。
家庭環境、自身の弱さ、後天的な問題、全てに向き合って武器にしている輪入道の言葉は深く突き刺さるものがあります。
ラップスタイル
MCバトルにおいてリズムキープも堅実で多彩なフロウを見せるなど、ミュージシャンとしてしっかりとした実力を見せている輪入道。
相手のバースをしっかり聴いてしっかり返答する、所謂『対話型』のスキルは非常に高く、同時にユーモアにはユーモアで返す、フロウ勝負にはフロウ勝負で返すなど、男らしさの中に意外なまでの器用さを発揮します。
音源では読書家らしい豊穣な言い回しを使いつつ、ストレートに自分の気持ちを独白するスタイルです。
トラックのチョイスも和風トラックや所謂日本語ラップらしい海外のテイストが少ないもので、般若や鬼と言った直系の先人の影響が強い、強力な言葉の力を振るうラッパーだと言えます。
所属しているレーベルやチーム
鬼一家のレーベルである赤落プロダクションに専属ラッパーとして所属した過去がある輪入道。
現在のリリース元は自身のレーベル「GARAGE MUSIC JAPAN」を中心に活動している模様です。
また、十影やRAIZENと言った池袋のクラブBEDを拠点として活動していたラッパーとも強固な繋がりを持っており、RAIZENにはニート東京でその思いを熱く語るなどしています。
最近の活動
結婚を迎えて以降、ややメディアへの露出が減少しているような印象を受ける輪入道ですが、相変わらずバトルを掻き回し続けている重要人物の一人であり続けます。
音源も客演をこなしながら、2023年には新アルバム『朝が満ちる』を発表するなど、今後のさらなる活躍が待ち遠しいです。
仲のいい人物
現場叩き上げというスタンスから多くのラッパーと交流の多い輪入道ですが、特に彼の経歴で重要な要素を持つラッパーを紹介していきます。
般若
日本武道館でワンマンライブを観光するなど日本語ラップ回の重鎮であり、『ダンジョンのラスボス』である般若は輪入道がラップを始めるきっかけになった人物です。
般若と実際に対面したのは共通の知人を介してだそうで、テンパってひたすら自分の般若へ対する気持ちを喋り続けたとの事です。
般若と交流が生まれたのは輪入道が２代目モンスターを襲名してからそうで、渋谷のクラブVUENOSが閉店する際には二人で曲を発表しています。
鬼
赤落プロダクション所属であった輪入道は、鬼の世話係をするようになった事もあり、交流は深い模様です。
元々鬼と同郷のラッパーである狐火と交流があったことから鬼一家のライブを目の当たりにし、アウトサイダーである彼らによる表現に強い影響を受けたと語っています。
最初は鬼の外見を知らなかったこと、ライブは最前で真っ直ぐ見続けるというスタイルから、鬼にはステージ上から威嚇されることがあったそうです。
赤落での経験を踏まえて現在でも交流がある様で、自伝『俺はやる』の帯には鬼からのコメントが寄せられています。
GADORO
バトルMCとしても有名なGADOROですが、輪入道とは『KOK 2016』で試合をしてから交流が生まれています。
輪入道とはGADOROの『黒い太陽』に輪入道が参加し、またGADOROも輪入道の『ALIVE』に参加するなど、楽曲でも交流が見られる両者です。
『黒い太陽』は輪入道の暗い過去や難聴についてオープンにするきっかけだったと語っており、自分の感情を吐露する彼らは非常に相性が良いと言えます。
この他にも同年代であるACE、輪入道に憧れてラップを始めた裂固と言ったバトルMC、輪入道のライブを観て東京にその存在を伝えた十影、RAIZENら池袋のラッパーなど各地の主要なラッパーと交流がある輪入道です。
日本のヒップホップを知る上でも、自伝『俺はやる』には一読の価値があります。
オススメの音源
バトルMCのイメージが強い輪入道ですが、そのストレートな性格から紡がれるリリックは強く胸を打つものがあります。
客演やタイアップも多数ありますが、特に輪入道を語る上で重要なく曲を紹介させていただきます。
So Dark
アルバム『左回りの時計』の冒頭からスリリングなイントロで始まるこの曲、ここまで触れたように輪入道の後ろ暗い経歴に真正面から向き合った楽曲です。
ピー音で隠された部分について本人は自伝で
「一番認めたくない、目を背けたい自分がいる。それを形にした」
と語っています。
ライブ版は無修正であり、自分の黒い感情を振り絞るようにラップする声が印象的です。
覚悟決めたら
ファーストアルバム『片割れ』から、等身大の実生活、そこから来る感情が潮風のようなトラックに展開されて行くエモーショナルな曲です。
輪入道の力強さと同時に優しさを感じる友人や社会への視点が、徐々に声量を増していくラップに乗せられて鋭く感情に突き刺さります。
俺はやる
ラッパー・輪入道を語る上で外すことが出来ない一曲です。
この頃から輪入道は自己の経歴を告白するようになり、先に紹介した『So Dark』の次に過去をなぞりながら今後への決意を明確に表明するこの曲は強烈な輝きを放っています。
この曲のフック『やりたい、やらなくちゃ、それはカス』というリリックについて、
「やりたいとかやらなくちゃじゃ無いんスよ。俺は、やる、やってやる」
と本人がMCで語っています。
徳之島
輪入道が鹿児島県になる徳之島のイベントに呼ばれた時の事から生まれた曲です。
徳之島というローカルの描写が美しいこの曲は、輪入道の文才とストーリーを語る能力が如実に発揮された曲と言えます。
過去の経歴から、徳之島という固有名詞を出すことに躊躇いがあったと語る輪入道ですが、リリックにもある様に大勢の若いファンからサインを求められた事から
「暗い過去へ戻らない、覚醒剤に二度と手を出さない」
と言う意思を固めるため、はっきりと徳之島の名前を使うことにしたと語っています。
この他にも、アルバムでは意外なほどシリアスな面やメロウな曲など多彩な面を音源で表現しています。
まとめ
今回は輪入道について紹介しました。
バトルMCというイメージが先行していますが、音源のクオリティも非常に高いラッパーです。
輪入道の事が気になっている方は是非、彼の感情に触れてほしいと願います。
