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【チプルソ】プロフィールや現在の活動・オススメの音源まとめ

チプルソは、『フリースタイルダンジョン』出演を熱望されながら、最後まで出ることのなかったレジェンドラッパーです。

ラップ好きの若い方で、チプルソを知っている人は少ないでしょう。

チプルソは幼少期に登校拒否となり、長いひきこもり生活を送っていました。その後、友人の紹介でHIP HOPとフリースタイルラップに出会います。

「音楽はひとりでもできる」

これがチプルソの信念です。

チプルソは誰かと群れることなく、一人でラッパーとしての道を歩んできました。

そして独自のスタイルを確立します。

この記事では、【孤高のラッパー】チプルソの過去から現在までを掘り下げて紹介します。

チプルソのプロフィール

MCネームチプルソ / Tipleso
本名不明
生年月日1986年生まれ
出身大阪府
SNSInstagram

名前の由来

チプルソのラッパーとしての原点は、小3の頃の登校拒否と引きこもり生活にあります。

そのトラウマはMCネームに象徴されています。

「チプルソ」というネーミングの由来は、乖離性同一性障害や多重人格を表す「マルチプルパーソナリティ」から。

「マルチプルパーソナリティ」の概要は以下のとおりです。

解離性障害は本人にとって堪えられない状況を、離人症のようにそれは自分のことではないと感じたり、あるいは解離性健忘などのようにその時期の感情や記憶を切り離して、それを思い出せなくすることで心のダメージを回避しようとすることから引き起こされる障害であるが、解離性同一性障害は、その中でもっとも重く、切り離した感情や記憶が成長して、別の人格となって表に現れるものである。

引用:Wikipedia

MCチプルソは、彼自身がトラウマを引き受けて生きていくために作り出した、別の人格なのでしょう。

ファッション

チプルソの個性はファッションにも現れています。

特徴は主に次の4つ。

  1. ロン毛(近年ではドレッドの長髪)
  2. ひげ
  3. ストリート系のゆるいファッション(夏場はTシャツ短パン)
  4. サングラス(濃い色の丸めがね)

特に丸めがねのサングラスはチプルソのトレードマークです。

晋平太(日本を代表するフリースタイルラッパー)いわく、「あの丸いサングラスを流行らせたのはチプルソだ」 と自身のYouTubeチャンネルで語っています。

また、晋平太はチプルソの凄さを「声」と「キャラクター作り」にあると言っています。
チプルソの声は高く、髭ズラのイカツイ外見との「ギャップ」があります。

だから余計に得体の知れない感じがするのです。

チプルソには高い自己プロデュース力と、他のラッパー達と比べても劣らない「キャラ立ち」があります。

性格

チプルソのブログ『綴り』には、過去の自分に向けて書いたと思われる文章があります。

それを読むと、チプルソは学校に馴染めず、周りに合わすことができない孤独な少年だったことがうかがえます。

たとえばこんな箇所。

「体操なんかやりたくないのに跳び箱を飛んで、
数学なんかやりたくないのに式を学んで、
音楽なんかやりたくないのに好きでもない歌を歌わされて、

なのにお前が間違ってる、って言われた。

「登校拒否児」って言われた。
名前なんか付けられてたまるか、カテゴライズなんかされてたまるか、お前らなんかにわかられてたまるか、

クソくらえ。」

引用:チプルソblog 『綴り

しかしこの文章の後には、「今はゆっくり自分の時間を過ごせ。自分の正解を信じろ」と続きます。

この言葉には、チプルソの芯の強さと、孤独の中でも一人で戦っていく「決意」が表れているでしょう。

また、初期の頃の映像では、ライブの冒頭から観客にHIP HOPや音楽について語りかける場面があります。

それを観れば、チプルソの頭の良さや、音楽に対する考えが深く、哲学的であることがわかります。

ちなみに、チプルソが影響を受けたと公言しているカルチャーは以下の3つです。

  1. 森 博嗣(小説)
  2. 小島 秀夫(ゲーム)
  3. DJ KRUSH『寂 -jaku-』

チプルソの過去・経歴

音楽との出会い

チプルソと音楽の出会いは、ギターから始まりました。

テレビ番組で、吉田拓郎がKinki Kidsにギターを教えている場面を見たことがきっかけです。

それから毎日6時間にも及ぶギターの猛練習。

チプルソは現在でもギターを用いた楽曲を制作しています。

ラップを始めたきっかけ

成人式で久しぶりに再開した幼馴染に、HIP HOPとフリースタイルラップを紹介されます。

ギターに目覚めた時と同じように、それから一日5時間以上もラップの特訓をしていたそうです。

ラッパーとしての経歴

チプルソは2010年に彗星のごとくフリースタイルバトルシーンに現れて、数々の大会で劇的なインパクトを残します。

しかし、MCバトルシーンからはわずか3年足らずで引退。

それ以降、自身の楽曲制作やライブ活動に専念します。

MCバトルでの主な経歴は以下のとおり。

  • ENTER MC BATTLE 優勝(2010)
  • 戦極MC BATTLE 優勝(2011)
  • 戦極MC BATTLE 優勝(2013)

ディスコグラフィーはこちらです。

  • 1st ALBUM『一人宇宙 -起源FREESTYLE-』(2011)
  • 2nd ALBUM『一人宇宙Ⅱ -アダムとイフ-』(2013)
  • バブルソ1st ALBUM『15 BUS DRIVE』(2015)
  • 7inch Vinyl『淡い/ラ・リッタシット』(2016)
  • 3rd ALBUM『一人宇宙Ⅲ -歌陽風月-』(2018)
  • バブルソ2nd ALBUM『Goodbye CABIN』(2019)
  • バブルソ1st EP『symmmetry』(2020)
  • バブルソ2nd EP『4shdw』(2020)
  • バブルソ3rd EP 『elements』(2021)
  • バブルソ3rd ALBUM『For you』(2021)

ラップスタイル

チプルソのラップスタイルは、次々にまくしたてるように韻を踏んでいく「ライム」です。

有名なパンチラインをいくつか紹介します。

引き出しが豊富で、トリッキーなワードセンスが光ります。

「お前のラップは本末転倒 ただ暑苦しいトンカツ弁当」
(対 晋平太)

「お前のラップには深みがない そういう奴のアルバムは不甲斐がない 不甲斐がないイコールつまりダサい 使い回しだし心で歌いなさい」
(対 R-指定

「俺のラップはゴージャス こいつのラップは不合格 見失ってんぞ方角 性格は性悪 WACKは討伐か道楽 客は争奪 焼き付けろ網膜 やるか俺のコーラス」
(対 SIMONJAP)

「石橋貴明 MPC ビシバシ叩き 木梨憲武 ラップはキー無しノリだけ」
(STUDIO韻シスト#6)

「NO DJ ONE MC」「一人宇宙」

チプルソの魅力はフリースタイルラップだけではありません。

前述のように、チプルソには子ども時代の壮絶な過去があります。

「音楽はひとりでもできる」という信念をいだき、誰とも群れずにたった一人で戦ってきました。

チプルソの音楽の本質は、MCバトル時代よりも、むしろ楽曲制作やライブ活動に現れています。

「NO DJ ONE MC」はチプルソのライブスタイルの名称です。

チプルソは一人でクラシックギターやビートボックス、MPC(統合音楽制作ツール)などを用いてパフォーマンスを行います。

また、2011年には全ての工程を自身で手がけた1stアルバム、『一人宇宙 -起源FREESTYLE-』をリリースしました。

「NO DJ ONE MC」のライブスタイルは現在進行形で、「一人宇宙」シリーズも第三弾までリリースしています。

ライブでは一人でステージに上がり、アルバム制作ではミックスからマスタリングまで自ら行います。

チプルソの音楽活動は、まさに「孤高」と言えるでしょう。

所属しているチーム

現在のチプルソは、ビートメイカーのKazBubble(WARAJI)と共に「バブルソ」というプロジェクトを行っています。

バトルMC時代のチプルソとは違って、メロウでグルーヴィーなサウンドを楽しむことができます。

仲のいい人物

晋平太は自身のYouTubeチャンネルで、昔チプルソと仲が良かったことを証言しています。

MCバトル時代のチプルソは、東京の大会に出場する際に、晋平太の家に寝泊まりしていたそうです。

また2016年には、「STUDIO韻シスト#6」にて、鎮座ドープネスとセッションを行ったことが有名です。

最近ではクリープハイプのアルバム『世界観』への参加が話題を呼びました。

おすすめの音源

数あるチプルソの楽曲やセッションの中から、まだチプルソを知らない人へ向けておすすめの音源を紹介します。

チプルソの原点『I LOVE ME』

1stアルバムに収録されている『I LOVE ME』は、大竹まことが「現代の若者の内面が表現されている」と絶賛した楽曲です。

ライブの途中で、チプルソが観客に向けて放つ言葉を紹介します。

「お前ぐらいお前を愛してやれよ
どうせ自分は捨てれねーんだ
最後まで大事にしてやれよ
お前だってやっと生まれたんだぜ」

これは過去の自分自身に対する叫びであり、もがき苦しんでいる全ての人へのエールでもあります。

MCバトル(チプルソ vs SIMONJAP)

これは間違いなく、チプルソのベストバウトの一つです。

先攻のSIMONは1バース目で「お前ナルシストか?」と煽りますが、後攻のチプルソが見事なパンチラインで返します。

しかし中盤でSIMONも盛り返し、ほぼ互角の戦い。

ラストのバースで「お前バトルMC馬鹿にしてんのか?」とdisられたチプルソは、それまでこだわっていたライムを捨てて叫びます。

ここがめちゃめちゃかっこいいので、ぜひチェックしてみてください。

セッション(チプルソ&鎮座ドープネス)

鎮座ドープネスとチプルソは、『フリースタイルダンジョン』出演を熱望されていました。

しかし鎮座は、「お互いにdisり合うだけのバトルにはもう興味がない」とたびたび証言しています。

それはチプルソも同じでしょう。

このセッションでは、そんな二人のレジェンドラッパーの奇跡的な共演が観られます。

【フロウのおばけ】鎮座と【ライムの奇才】チプルソのコラボは必見。
まさに「神回」と呼ぶにふさわしい内容です。

「NO DJ ONE MC」

ギター、ビートボックス、 MPCを駆使して一人でステージに立つ「NO DJ ONE MC」スタイル。

ライブでは会場を煽り、観客と一緒に音楽のグルーヴを生み出していきます。

最新曲の『Street trees in your city 』は、チプルソいわく地球セッション。

「一人宇宙」シリーズ・『綴り』

1stと2ndアルバムは、荒々しく心情をぶつけるラップサウンドや、逆にゆったりとしたポップス調の曲で構成されています。

3rdアルバムでは、より洗練されたメロウでグルーヴィーなサウンドに進化していることがわかります。

この記事を読む方に特に聴いて欲しいのが、2ndアルバムに収録されているラブソング、『綴り』です。

リリックが素晴らしいので、できれば全部紹介したいのですが、ラストのサビの部分を抜粋しましょう。

「立ち読みの彼は隣のスーツの彼女を 父親は母親を 僕はこの子を選んだ
新しさ憂鬱にもなる春 やっと楽しいと想えた 海花火夏
食べ過ぎてあっという間の秋 風の匂いテレビ番組わかる冬
その全て君越しの景色 普通の生活にくれたいろんな輝き」

「綴り終わる前にちゃんと伝えとこう
生まれてくれて本当に 良かった」

「あと こんな僕を愛してくれてありがとう
アイラブユー 辛いことを僕越しに」

『I LOVE ME』から始まったチプルソは、ラップと出会い、好きな人と出会うことで、この曲に「アイラブユー」とつづります。

チプルソのことを深く知ったあとで聴くと、涙がでそうになります。

まとめ

チプルソは幼少期に学校に馴染めず、長い引きこもり生活を経験しました。

それがMCチプルソの原点です。

つらい過去から立ち上がり、一人で日本のHIP HOPシーンで戦い続けています。

全てを自身でこなす「NO DJ ONE MC」や「一人宇宙」の孤高のスタイルは、初期の頃から現在に至るまで一貫しています。

「音楽はひとりでもできる」

繰り返しますが、これがチプルソの信念です。

「みなさんも一人でできることをあきらめないで下さい」

これは初期のライブでの観客に対する言葉。

もし読者のあなたが居場所がなく、困難をかかえているのなら、チプルソの音楽を聴いてください。

きっと勇気をもらえるはずです。

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