近年、ウルグアイや北米でのカンナビス(大麻)の合法化を発端に世界中でも取扱い方の見直しが行われています。
大麻の有効利用に関する様々な研究も日々進んでおり、カナダやアメリカでは生活の中にカンナビスを取り入れる人が年々増加して来ています。
その影響は破竹の勢いで広がっており日本も例外ではありません。
国内へも日本の法律をクリアした大麻製品が次々と入ってきており、その中でもCBDという成分を含んだ商品が多くの人々から注目を集め出しています。
しかし大麻由来の成分という事で興味はあるのだけれど本当に大丈夫なのか?と心配する人の声もよく聞かれます。
そこで今回はそんな人達の不安を解消すべくCBDとは何か?について解説していきたいと思います。
目次
CBDとは
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CBD(正式名称:カンナビジオール)が抽出される植物、大麻草の事について少しお話ししたいと思います。
大麻草(英語:カンナビス)は成分の1つであるTHC(Δ9-テトラヒドロカンビノール)の含有量によって「マリファナ」と「ヘンプ」の2つに分類することが出来ます。
THCの含有量が0.3%以下の物は「ヘンプ」、それ以上のものが「マリファナ」に分類されます。
THCもCBDも同じ大麻草に含まれる天然成分の1つですがその効果全く異なります。
THCには陶酔作用があり接種するといわゆる「ハイ」な状態になります。
日本では大麻取締法により大麻は麻薬のイメージが強く、CBDの使用を始めるにあたり不安を感じる人もいますが、CBDにはTHCのような陶酔作用はありません。
日本の法律も大麻草の全てを禁止してはおらず、成分によっては国内で入手、使用する事ができCBDもその中の1つです。
また茎、種子といった部位は法律でも認められている為、そこから抽出されたCBD製品は日本国内で合法的に入手し使用する事が出来ます。
CBDの歴史
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CBDという言葉を耳にするようになったのはここ数年の事ですが実はその歴史は意外に長いです。
アメリカで初めて大麻草からCBDを分離する事に成功したのは何と1940年の事です。
1946年にイスラエルのラファエル・ミシューラム博士によってCBDの三次元構造が発見され、同年に動物生体実験が行われCBDには精神活性作用がない事が明らかになりました。
ミシューラム博士は功績を称えらえ現在はCBDの発見者として世界で広く認知されています。
その後ミシューラム博士はCBDを含むカンナビノイドの研究を続け、1980年にCBDがてんかんの治療において重要の役割を果たすと提唱したことから医療目的での利用に関する研究が加速しました。
それでは何故今になって急にCBDの人気が高まってきているのでしょうか?
それは2006年、難治性てんかんドラべ症候群を患っていたアメリカ、コロラド州に住むシャーロットという女の子がきっかけだと言われています。
当時シャーロットと彼女の両親は週に何百回と起こるてんかんの発作に苦しめられており、絶え間なく起こる発作が原因で仕事もままならない生活を送っていました。
両親は様々な治療法や処方薬をシャーロットに試しましたがどれも効果はなく途方に暮れる日々が続いていました。
しかしアメリカで当時から有名だった大麻農家のスタンレー兄弟と両親との出会いがシャーロットの人生を一変させる事になりました。
スタンレー兄弟が栽培していた大麻の1つが普通の大麻よりCBDを多く含む品種だったのです。
その品種から作られた大麻オイルをシャーロットに服用させたところ、てんかんの発作の回数が大幅に減少したのです。
もともと長期の処方薬の投与によりシャーロットの身体はボロボロに蝕まれていたのですが、大麻オイルのお陰で薬を飲まなくても良くなり彼女の健康は見る見るうちに回復していきました。
CBDオイルの投与を開始して半年後には発作も殆どないという状態にまで回復しました。
その話しは小児てんかんを患う子供たちにとってはもちろん、その子供を持つ親たちにとっての希望となり多くの人たちがコロラドに大麻オイルを求めて押しかけるという現象が生れました。
またそんな状況を見ていたアメリカの人たちにとっても大麻の印象を変える大きなきっかけとなりました。
2001年よりカリフォルニア州ではすでに医療大麻が合法化されていましたが、この事がきっかけとなりCBDは大きな注目を集る事となりました。
CBD製品の種類とオススメ
現在日本国内では様々な形態のCBDが販売されています。
使用目的や接種方法によって選択も変わってくるのですが初心者の方だとどんな商品を選べば良いのか判断が難しいでしょう。
そこでここからは様々な商品の特徴や注意点などを挙げていきたいと思います。

CBDオイル
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その名前から想像できる通り一般的なオイルの様に少し粘度がある液状のCBD製品です。
喫煙など異物を吸い込む事に抵抗がある人にオススメのCBD製品で、舌下に適量を垂らし30秒~1分程待って服用します。
CBDティンクチャーという製品もオイル製品の一種で、CBDをMCTオイルなどの油脂性の液体に溶かし込んだ物です。
吸引による接種に比べ効果が出てくるまでに時間がかかりますが効果が持続しやすいのが特徴です。
しかし経口接種の場合はCBDが血流に入り込む前に消化器や肝臓を通るため、CBDそのものが破壊、悪化、代謝されてしまう可能性が高くなるというデメリットもあります。




CBDワックス



ドロッとしたワックス状のCBD製品で商品によって粘度が異なります。しかしCBDオイルほど粘度は低くないので比較的取り扱いやすいです。
CBDの含有量が高い商品が多く、ワックスの吸引がCBDの効果を感じる為には1番有効的な方法だと言われています。
デメリットとしては他のCBD商品に比べ価格が高い傾向にあり、また吸引する為には専用のデバイスが必要になってきます。
CBDワックスでオススメなのは「VapeMania」の「和み-Nagomi-」シリーズです。
高濃度のCBDと選べる6種のフレーバーが人気の商品です。






CBDベイプリキッド



こちらはPG、VG、香料といった溶剤となる物にCBDが溶かし込まれた製品で使用するには電子タバコを吸引するデバイスが必要になります。
大麻由来の製品は味が苦手な人もいますが、これらの商品の多くはフレーバーが添加されているものが多く、自分好みのフレーバーを見つければ美味しくCBDを接種する事が出来ます。
日本より早くからCBDの人気が高まっていた北米ではこれらの商品を禁煙の為に使用する人もいます。
CBDによる禁煙効果は科学的には証明されていませんが、この記事を書いている私もこれで煙草を辞める事ができました。
このベイプリキッドを作っているアメリカのCBDFxは日本でいち早くCBDリキッドの販売を開始した企業の1つです。
現在はCBDFx Japanが設立されており日本人で薬剤師免許を持つ方が代表に就任している様です。
様々なフレーバーのリキッドを販売しているので必ず自分好みの商品が見つかると思います。
エディブル
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エディブルとは食べて接種する大麻製品の事でグミ、チョコレート、飴などが一般的です。
CBD摂取量の調整がしやすく、接種方法としても一番簡単なのでこちらも初心者の方にオススメ出来る製品です。
上記で紹介しましたCBDFxが日本でもCBDグミの販売を行っているのでベイプ吸引やオイルに抵抗がある人はそれらの商品から始めてみると良いかもしれません。
CBDの効果
ここまで読んでくださった読者の方はCBDがどのように誕生し、そこからどの様な商品が作られ販売されているのか何となくは理解できたかと思います。
それではここからはCBDの効果についてより掘り下げていこうと思います。
前の段落でCBDには難治性てんかんドラべ症候群の発作の抑制に効果があると述べましたが、実は日本でも2019年に聖マリアンナ医科大学がCBD成分を含むてんかん薬エピディオレックスの治験申請を行っています。
また国会でも当時の厚生労働副大臣が薬の管理の徹底などを条件に治験は可能だと回答しています。
ではCBDの有効利用はてんかんだけに限った事なのでしょうか?
それは日本より前からCBDが一般に浸透している北米の状況を見れば分かりやすいかと思います。
アメリカやカナダでは特に目立った病状が無いような人たちの間でも健康管理の中で利用されているのです。
例えば忙しい現代社会において50%以上と多くの人が睡眠になんらかの問題を抱えていると言われています。
ユーザーがcbdを選ぶのに最もよくある理由の1つがそのリラックス効果ですが、それは睡眠にまで影響を及ぼすと言われています。
私自身も寝る前にCBDオイルを使う事によって睡眠の質が良くなったと言う話しをよく聞きます。
またそのリラックス効果は多くのアスリートにも重宝されておりトレーニングや試合の後の自己メンテナンスの為に使用している人も今では珍しくありません。
近年ではCBDに抗炎症作用がある事が分かってきており、ニキビや老化対策の為にその効果に注目が集まっています。
そのため最近では化粧品業界でもCBDの人気が高まってきており化粧水やハンドクリーム、石鹸やバスボムなどにもCBDを含んだ商品が登場してきています。
また乾燥肌、乾癬、湿疹が治ったという人も実際に多くいるのですが現段階でこれはまだ研究段階だと言えるでしょう。



CBDのリスクや注意点
ここまではCBDを使用する事のメリットについてお伝えしてきましたが、全く使った事がない初心者にとってはまだ少し心配ですよね。
そこでこの段落では代表的なCBDのデメリット、使用時の注意事項について述べていこうと思います。
眠気
CBDに限った事ではありませんが、どんな薬にも主作用と副作用が存在します。
副作用とは主作用ではない好ましくない作用の事ですがCBDの場合はそのリラックス効果から眠気を感じる事が多く、運転中や仕事中にはそれが弊害となってしまうでしょう。
自分にとっての適切な量が分かっている人は良いかもしれませんが、初めて使うCBD製品や含有量が分からない物を使うときには特に注意が必要です。
ドライマウス
CBDユーザーの間で最もよくある副作用の1つがドライマウスです。
口の中に綿を詰めたように感覚で口の中が乾燥します。
特にCBDオイル、CBDベイプリキッドを使用すると起こりやすいと言われていています。
ベイプリキッドの原料にPGが含まれている場合にはその副作用は顕著に現れますが、水をこまめに摂ったり飴を舐める事で簡単に解消できます。
処方薬
CBDによる副作用に深刻な物はほとんど無いと言われていますが、普段から処方薬を服用している人は注意が必要かもしれません。
グレープフルーツがいくつかの薬と相互作用を起こし意図しない作用を生じさせる事があるというのは多くの方がご存知かと思いますが、CBDも同じように処方薬の作用を阻害してしまう事があります。
体内にはシトロクロム450(CYP)という肝酵素があり、私たちが服用する多くの薬はそれによって代謝されるのですが、CBDはその代謝を阻害してしまいます。
体内に取り込まれた薬は代謝されるのに余分な時間がかかり体内に長くとどまってしまう為、必要以上に薬の効果が表れてしまう事があります。
処方薬を服用している方はCBDの使用を開始する前に一度お医者さんに相談する事をオススメします。
まとめ
CBDの基本的な事についてまとめてみましたが、私は今回お話しさせていただいたこと以外にもCBDには沢山の可能性が秘められていると感じています。
現在はまだ日本では北米に比べ利用者は少ないですが、これから更に研究が進みエビデンスが増えれば今よりもっと色々な所ででCBDの名前を聞くことになるでしょう。
私の住んでいるカナダではCBDキャンドル、CBDデオドラント、CBDパッチ、ペット用のCBDなど様々なCBD製品が販売されるようになってきました。
隣国アメリカでも状況は同じで次々と新しいCBD製品が登場してきています。
日本では大麻のイメージが悪く使うのに勇気が必要な人もいるかも知れませんが、一度使った事がある人は口を揃えて「想像していたような怖い物では無かった」という感想を持つようです。
あなたも今世界中で話題のCBD製品を使って新しい健康管理にチャレンジしてみませんか?