私が生れた40年ほど前は現在と比べ喫煙者の数が多く、喫煙場所などに関するルールも今の様に厳しくはありませんでした。
若い方には信じられない事かもしれませんが、自動販売機で買う際にもタスポの様な身分証明は必要なく、喫煙者であった父は小学生であった私にタバコを買ってくる様に頼む事もたびたびありました。
当時は今より値段も安く、例えば私の父が吸っていたマイルドセブン(現在のメビウス)は1箱で220円でした。
しかしタバコの価格も少しづつ上がり、世界中では人々がより健康に目を向ける傾向が高まり、次第に禁煙を試みる人も増えていきました。
40年前には50%近かった日本の喫煙率も、2020年現在では20%を下回っており、これから更に減少していく事が予想されます。
しかし禁煙は簡単な事ではなく、様々な禁煙方法に挑戦しては失敗を繰り返している喫煙者も少なくはないというのも事実です。
禁煙の方法は人により様々な方法があり、ガムやパッチを使う方法、処方薬を服用する方法などがある事は多くの方がに知られているかと思います。
それではここ数年、北米やヨーロッパを中心に多くの喫煙者が新たな禁煙方法に挑戦し成功している事はご存知でしょうか?
それは世界中の大麻合法化の中で誕生し、注目を集める事となった成分CBDを使った禁煙方です。
CBDとは?

CBDとは正式にはカンナビジオールと呼ばれる大麻由来の天然成分で、近年海外で起こっている大麻合法化を機に人気が高まっています。
大麻と言うと麻薬のイメージがあり怖いと感じる人もいるかも知れませんが、CBDにはそういった方々がイメージする様な効果はありません。
大麻を使用すると陶酔感を感じるのですが、それは大麻に100種類以上含まれていると言われているカンナビノイドの1つであるTHCという成分によるものです。
CBDもカンナビノイドの一つですがTHCの様な精神活性作用はなく、カナダなどの合法国ではウェルネスや健康管理などの為に幅広い層の方々に利用されています。
CBDとタバコの併用

ここまでCBDを使っての禁煙についてお伝えしてきましたが、禁煙が目的ではない喫煙者の中にもCBDを使ってみたいと考える方もいるかと思います。
CBDとタバコの併用の危険性を示す研究結果は今のところなく、私の住んでいるカナダにはタバコとCBDを併用している人は沢山います。
またニコチンが含まれた電子タバコのリキッドにCBDを混ぜて使用する人もたまに見受けられます。
ヨーロッパでは大麻を吸う際にタバコと混ぜる事が一般的となっており、その様な事からも危険性は低いことが予想されます。
また各CBDメーカーもタバコとの併用に関して特に警告などは出していません。
しかし大麻草の花穂に含まれるCBDの量はこれらの製品よりCBD自体の量が少なく、またCBDというカンナビノイドが単体で多くの人に使われるようになってからまだ月日が短いため、長期使用に関するデータが今のところないというのが現状です。
CBDが禁煙の役に立つ?

アメリカの疾病予防管理センターによると、アメリカではニコチン依存の患者数はどんな種類のドラッグの依存症患者数より多い事が報告されています。
さらにニコチンの依存性はコカインやヘロインより高く、止める事が困難であるというデータも見ることが出来ます。
2013年、24名の喫煙者を対象にCBDの有効性に関する調査がユニバーシティー・カレッジ・ロンドンで1週間行われました。
半数の人にCBDベイプを、残りの半数の人には偽物のCBDベイプを渡し、被験者がタバコを吸いたいと感じた時にそれを吸引してもらいました。
結果は偽物のCBDベイプを渡された人には特に変化は見られませんでしたが、本物のCBDベイプを渡された人達の喫煙の割合は約40%も減少しました。
CBDオイルは禁煙以外にもストレスや健康管理など様々な用途で使われており、タバコを吸う理由がストレスであるなら、CBDはあなたにとって何より健康的な禁煙法の1つかも知れません。
行動と喫煙の関係

ニコチン依存と言ってもその程度や在り方は様々で、禁煙中にタバコを吸いたいと感じるきっかけも人により異なります。
ストレスを感じた時に吸いたいと感じる人もいれば、仕事が一段落した時に吸いたいと感じる人もおり、行動と喫煙とが結びついているケースもあります。
タバコを吸いたいという気持ちがなくてもコーヒーを飲んだ時や食後など何かの行動をきっかけに急にタバコが吸いたくなるという事は、禁煙にチャレンジした事がある方なら誰でも経験したことがあるかと思います。
それは私たちの脳が自然に複数の行動をリンクさせ記憶しているからです。
この行動と喫煙の脳内でのリンクを断ち切るにはある程度の時間を必要とし、またそれは禁煙を成功させる上で最も大きなハードルの1つと言えるでしょう。
しかしブラジルのサンタカタリーナ連邦大学から出された論文によると、CBDがその様な問題の解決の役に立つかも知れないという実験結果が記されています。
ラットを使用して行われたその実験は、特定の環境下でタバコなど中毒性のある薬物を使用した時、脳がその行動と薬物使用を結びつけ記憶する働きをCBDが抑制する事を示しました。
そしてその研究結果は、多くの薬物依存は特定の記憶、環境に影響されており、それらと薬物使用のリンクを断ち切るのにCBDは有用である可能性があると締めくくっています。
タバコを止めるにあたり特に最初の数日は強い忍耐力が必要ですが、禁煙を継続する事もまた同じように大変な事です。
ニコチン依存の治療にCBDが有用であるのか今はまだ実験段階と言えますが、2018年にカナダ、モントリオール大学で行われた研究はその未来の明るい可能性を示していました。
その研究でアルコール中毒のラットにCBDを投与したところ、それまで行っていたアルコールを捜すという行動は低下したのにも関わらず、睡眠などそれ以外の行動には影響を及ぼす事は無かったのです。
そういった事を考慮するとタバコが吸いたいという感情をコントロールするのにCBDは役に立つのかも知れません。
様々なニコチンの離脱症状とCBD
私たちの体の中にはるセロトニンという神経伝達物質があり、それが感情や気分のコントロール、精神の安定に大きくかかわっています。
またセロトニンはタバコを吸った時、体内にニコチンが吸収された時にもで分泌されるのですが、それがタバコを吸った時に得られる落ち着きと満足感の原因となっています。
そのため今までタバコを吸っていた人が急に禁煙をすると、脳内のセロトニンが不足し不安感や焦燥感を感じる事がある様です。
またそれが禁煙に挑戦している人が再びタバコを吸いたくなる瞬間の1つでもあります。
CBDは脳内にある5-HT1Aという受容体を活性化し、セロトニンの分泌を増加させる事が近年の研究から分かってきています。
この働きはSSRI(セロトニン再取り込み阻害剤)と似ている事から、禁煙によるストレス、軽鬱を和らげるのにcbdは最も健康的な方法の1つではないかと期待が高まってきています。
cbdは気分だけではなく身体にも作用する為、禁煙によって生じる頭痛や倦怠感にも大きな効果が期待できます。
またCBDはそのリラックス効果から睡眠効果もあると言われています。
寝る前にタバコを吸う事が習慣化していた人の中には禁煙によって眠れなくなるという事もありますが、もしかしたらCBDはそういった面でも役に立つのかも知れません。
禁煙にオススメのCBD接種方法

CBDの接種方法は様々でそれぞれに特徴があるのですが、禁煙の為にCBDを使う人はそれらの事を意識した方が効率的に禁煙が出来るのかも知れません。
私の1番のオススメの接種方法はベイプです。
ベイプによりCBDを接種すると血流に流れ込むまでの時間が短いため、効果をいち早く実感する事が出来ます。
またベイプを吸うという行動は煙草を吸う時の行動と非常に似ているので、口が寂しいと感じる人にとっては有効的な接種方法でしょう。
その様な理由から禁煙中に急にタバコが吸いたいと思った時にCBDベイプはとても訳に立ちますが、もちろん欠点が無い訳でもありません。
ベイプによる接種は他の接種方法と比べ効果が持続時間が短いのです。
そのため私はベイプとCBDオイルやティンクチャーとの併用をおすすめします。
オイルやティンクチャーは舌下摂取で血流にCBDが入るまでにベイプと比べて時間がかか
りますが、その一方で効果が持続する時間が長いのが特徴です。
ベイプは効果を持続させる為に何度も使用しなければいけませんが、オイルの場合は2~3
回の摂取で効果を一日中持続させることが出来るのが利点です。
またそれらのオイルを使ってクッキーやチョコレートなどエディブルを作ってみるのも良いでしょう。
エディブルは消化器を通過しなければならない為、オイルやティンクチャーに比べ効果を感じるまでに更に時間がかかります。
しかしその効果も更に長くほぼ1日持続するので、日中に忙しい方には便利な商品かもしれませんね。
まとめ
禁煙にCBDを使う人が増えてきているのは事実ですが、まだその効果を表す確固たる証明はありません。
これから世界中で大麻に関する研究や開発が活発化していけば、さらに有用なデータが出てくるでしょう。
今までに色々な方法で禁煙に挑戦してきたけどうまく行かなかった人、周りにタバコを止めたがっている人がいる方は一度CBD記念に挑戦してみても良いのかも知れません。