降神は「志人」と「なのるなもない」の2MCのHIP HOPクルーです。
今回はそんな2人のプロフィールや経歴などを紹介します。
降神の名前の由来
降神(おりがみ)のユニット名は「折り紙」から来ています。
ヒップホップユニットとして活動開始当初、鶴 (つる・・・後の「なのるなもない」)と、非行期 (ひこうき・・・後の「志人(しびっと)」)というMC名でライブなどの音楽活動を開始。
志人は、他にも玉兎 (たまうさぎ)、志虫など、色々な名前で音楽活動に取り組んでおり、他にも、吉本素直という名義で、詩の執筆活動も手掛けています。
2人の結婚・彼女
なのるなもないは、すでに結婚していて2人の子供がいます。
志人は、彼女についての情報は一切残されておりません。
音楽や詩の執筆、趣味である旅など、多岐に渡る活動で大忙しである事から、恋愛よりも自分自身を優先しているのかもしれませんね。
学歴
なのるなもないは武蔵大学出身で、志人は早稲田大学出身です。
二人の出会いは早稲田大学のソウルミュージック研究会GALAXYでした。
早稲田大学の中のサークルでしたが、他大学の参加も認められていたそうです。
二人の共通の知人で、良き先輩である「440(よしお)」も、なのるなもないと同じ武蔵大学出身で、このGALAXYが出会いの場となりました。
志人には、今の人間形成に大きく関係するエピソードがあります。
小学4年生の時に担任にクラスメート全員の前に立たされ
「こいつは躁うつ病だ。普通の精神状態じゃないから、このクラスから移動してもらう」
と言われ、その理由が
「気分の浮き沈みが激しいから」
とされました。
このようなひどい扱いを受けた志人は
「気分の波の浮き沈みなんか、誰にでもある感情の変化なのに、少し人よりも大きく波を立てるだけで、病気と決めつけられるのか」
と小学生ながらに感じました。
それから志人は決めつけられる教育に対し違和感を持ち始め、大人になった今、間違った考え方に傷付けられた子供たちの気持ちを代弁するようなリリックの詩を歌うようになりました。
ファッション
降神の二人は、ストリート系ファッションの着こなしをしています。
志人は、常にひげを生え揃えているスタイルを取っています。
性格
なのるなもないは、少しおっちょこちょいなところがあります。
Twitterにてライブ後の疲れもあってか、「電車を乗り間違えたり、飛行機を逃したり」などといった、自身の失敗談を語っています。
そのTwitterの中では自身が本当に思った事、感じたことを飾らずにそのまま表現したツイートが多く、なのるなもないの人間性がよく伝わってきます。
自身が親交のある人物の出来ごとについて
「タケウチカズタケ氏の壊された状態でみつかった楽器は修理中で、なんとかなりそうだとのこと。本当によかった。盗まれた時は悲しかったんだけど、みんながリツイートしてくれたり助けてくれたりがあって、うれしくなってしまったって言ってたのを聞いて、なんかそういうのいいなと思います」
とツイートし、他人の不幸を心配したり助け合いの精神を称賛するその姿に、ぐっとくるファンもたくさんいるのはないでしょうか。
普段「狂気じみた、毒のあるリリック」というキャラ設定だけに、ギャップを強く感じるエピソードでした。
志人は日本語に対して非常に強いこだわりを持っており、「話しことば」「読むことば」など、ことば一つに対して捉え方、表現の仕方を深く考えた上でリリックを書きます。
こだわりの一つとして、パソコンが普及してきた今の時代では、リリックを書く時には「ワード」などのソフトを使って思いついたことをひたすらに打ち込んでいくスタイルが主流ですが、志人は、必ず「手書き」の「縦書き」でリリックを書きます。
その理由が
「パソコンに打ち込むよりも、手書きの方が、気づける部分が多く感じるから」
と語っています。
「今後は、更に新しい気付きを得るために、右から左へ横書きにもチャレンジしてみたい」
とインタビューで語っていました。
そんなことばや考え方に強い信念を持っている志人に強い影響を与えた人間は、降神のパートナーである「なのるなもない」だと志人本人が明言しており、二人の信頼関係が厚い事がよく伝わってきます。
趣味
なのるなもないは昼間からビールを飲んだり、誕生パーティーの日には酔うまでお酒を飲んだりなど、お酒が好きです。
他にもアートの世界にも興味を持っており、イラストレーターである「natunatuna」と影絵紙芝居をやったり、岡本太郎美術館に訪れたりなど積極的になのるなもない自身も、アートの世界に触れ合っている様子がTwitterで紹介されていました。
また、自身で「金曜日には映画を見る」と決めているそうで、その目的は
「誰かと一緒にどの映画を見るか考えて選んで決めたものをきちんと見る。そしてその気持ちを分かち合う。それがしたかった」
と語っていますが、その題材に映画を選ぶという事は、やはり映画がもとも好きなのでしょうね。
習慣を持つという事にこだわりを持ち始めた時期があり、その時に上がった行動が先ほど紹介した「金曜日には映画を見る」でしたが、「月曜日には本を読む」という行動も、習慣化しようとしています。
読書にも興味がある事が伝わってきますね。
アートの世界に興味をもっているなのるなもないですので、小説に興味があっても違和感はありません。
志人は自らの事を「吟遊詩人」と名乗るほどの旅好きで、国内外問わず人里離れたような場所などに旅に出る事があります。
自分の事を語る機会が少ないという事もあり、趣味の話をすることがほとんどない志人ですが、「人里離れたところへ旅に出る」という言葉は色んな場所で名言していました。
降神の過去・経歴
HIP HOPとの出会い
志人はもともとブラックミュージックが好きで、そのジャンルの一つであるRAPに興味を持ちました。
人前で初めてラップを行ったのは「山梨の自動車教習学校の合宿所」です。
一緒に入校した高校時代の音楽好きの友人がラジカセを宿舎に持ち込んで、独自のミックスカセットを鳴らして過ごしていました。
そんな中で講習の空き時間の合間を縫ってRAPを見よう見まねで書き、その教習所内で人生初バースをキックしたと語っています。
初めてマイクを握ってラップを歌ったのは大学に進学後、レゲエスターズのブロックパーティーでした。
大学入学とともに入ったサークル、ソウルミュージック研究会GALAXYになかなかなじめず、先輩たちともいい関係が築けなかった志人は、レゲエスターズの活動にこまめに顔を出すようになり関係を深めていきます。
レゲエスターズである程度の経験を積んだのちGALAXYの活動に戻り、価値観の近いなのるなもないと本格的にヒップホップの活動に力を入れていくことになります。
ラップを始めたきっかけ
大学時代になのるなもないと、志人と440の3人で初めてライブを行いました。
音楽活動を始めたばかりだった為、当然客の入り数も少なく、次のライブ予定もたたないまま志人は「このまま終わっていくのかな?」と漠然と感じていたと語っています。
しかし次のライブ予定など関係なしに、その後もひたすらに「音楽が好き」というだけの理由で、夜通しでラップの練習をずっと続けていました。
転機が訪れたのは2002年8月、「B Boy Park」のMCバトルに志人が参加し、4位に入ります。
ラップの世界にどっぷりはまってしまった志人はその後、アメリカのニューヨークへ行き、ラップの勉強を続け日本に帰国後は、なのるなもないの家で1日8時間ラップをひたすらやっていたと語っています。
当時を思い返しても「とにかくずっとやっていた」とインタビューで語っています。
志人はなのるなもないの事を「同年代で尊敬できる人」と表現していました。
おじいちゃんになっても一緒に音を奏でていけるような間柄でいたいと、インタビューで語っています。
ラッパーとしての経歴
降神は2003年に音楽活動を開始しました。
CD-Rで自主制作した1stアルバム「降神」が3,000枚以上の売り上げになり、その後2004年には「望~月を亡くした王様~」「帰り道 EP」と2枚のアルバムをリリース。
2005年には1stアルバム「降神」を大幅にアップデートとしたうえで正式にCD化し、リリースしました。
着実に人気を集め始めていたが2005年から2人のMCは個人での活動を始めます。
まずはなのるなもないが2005年7月7日に「melhentrips」をリリース。
その後2006年3月17日には「Shermanship」をリリースし、それから約7年間は客演などを中心に活動を続け、2013年に久々に「アカシャの唇」をリリースしました。
志人は2005年10月31日に「アワヤスカEP」をリリース。
2018年までに様々なアーティストとコラボで楽曲をリリースし続けています。
中でもファンに強く印象を残したのが志人とカナダに在住のラッパー「Blue Bird」と「Endemik Music」の創設者でもあるトラックメーカーScott Da Rosの3名で組んだ「Triune Gods(トライウン・ゴッズ)」です。
国際的なつながりで注目を集め、2011年1月19日に『Seven Days Six Nights』をリリースしています。
デビュー曲
の
降神のデビューはCD-Rで自主制作した1st アルバム「降神」です。
パソコンを使って自分たちでCDを作り、3000枚以上の売上。
作りすぎてパソコンが壊れてしまったと志人が語っていました。
自主制作後、店舗に並べるのではなく自分たちで手売りした経験を、「直接お客さんに手渡せる感覚がとてもうれしかった」とも語っていました。
ラップスタイル
なのるなもないは
「ヒップホップは、破壊と再生を繰り返して、吸収して進化を続けるものだと思ってる。ジャンルの区切りとかなく音楽を聴いてきたし、現行のシーンらしい音でそれっぽい事ばかりをやるのではなく、自分なりの本当の所を追究したいと思ってる。」
と語っており、降神は形にこだわらず色々なジャンルで表現するスタイルを特徴として挙げています。
そのスタイルから「これはヒップホップじゃない」と言われることがありますが、このようにジャンルにとらわれない考え方が「衝撃的」と表現され、これまでのラップの常識を覆す作品を作る事ができていると考えられます。
降神の一つの魅力である「リリックの毒々しさと狂気」について、なのるなもないは
「リスナーにはあえて意味のある毒を与えたいと思ってる。現実はきれいすぎるとしっくりこない事もあるし、毒っていうものはどうしても潜んでしまうと思うから。皮肉や毒がない世界で生きられたらいいけどね」
と、自らの人生で見てきた世界観から、社会や人間の矛盾を生々しくリリックに乗せている旨を語っていました。
所属しているレーベルやチームなど
降神が所属しているレーベルは「TempleATS」です。
仲の良いラッパー
なのるなもないは「超現実主義者」と言われるソラリノと親交があり、一緒に誕生日を祝うシーンがTwitterでアップされています。
その事から家族ぐるみでの付き合いがあるほどの仲の良さがうかがえます。
他にも「自由律ラッパー」と自称するTakatsukiとも親交があり、音楽の情報だけではなく、プライベートなやりとりがある事もTwitterで公開しています。
おすすめの音源
降神のおすすめの音源は「帰り道」です。
日常の人間の生活を表現しています。
特にリリックの中の「選ばぬことを選ぶけだるい午後」の部位は、やりたいことが見つからず、そんな自分にやきもきしている若者に突き刺さる物があります。
そんな悩みだらけの生活でも、夏祭りに参加すれば、悩みを忘れて楽しい気持ちになる人間の現金な部分も、リリックで表現されています。