ガーナ人の父と日本人の母を持ち、見た目が一般的な日本人と少し違う姿をしている事から「ガイジン」と心もとない言葉と差別を受けながらこれまで懸命に生きてきたなみちえ。
そんな環境で育ってきた気持ちを世間に公表する為にラップを歌うようになり、「唯一の友達」と呼ぶ着ぐるみの製作に明け暮れました。
2020年に通っていた「東京藝術大学」を主席の成績で卒業し着ぐるみクリエイターとも呼ばれるほど美術・制作の世界で存在感を放つようになりました。
今回はそんなクリエイターとラッパーという二つの顔を持つなみちえについて紹介していきます。
目次
なみちえのプロフィール

アーティスト名 | なみちえ |
---|---|
本名 | 田村なみちえ |
生年月日 | 1997年7月18日 |
学歴 | 東京藝術大学(首席) |
所属 | Zoomgals / TAMURA KING |
SNS | Twitter / Instagram |
名前の由来
なみちえは普段「田村なみちえ」と名乗っています。
「田村」は本名のようですが「なみちえ」という名前が本名なのか、MCネームなのかはわかりません。
彼氏
なみちえは自身のオフィシャルブログにて「20年間彼氏がいません」と書き綴っていました。
「通常のJDとして生活を送っているのにこんな自分に彼氏ができない理由が全く分かりません」
と叫んでいました。
自分の性格を自己分析する真面目さがこのブログから伝わってきます。
その後2020年のインタビュー記事で「当時の恋人の部屋で・・・・」という文面が残っており彼氏がいたことを自ら語っていました。
恋人の情報はあとにも先にこの記事だけで現在がどうなのかははっきりわかっていません。
家族
この投稿をInstagramで見る
なみちえは1997年に神奈川県茅ケ崎でガーナ人の父親と日本人の母親の間に生まれます。
祖母はタクシー運転手をしており、たまに駅まで乗せてってもらったりなどするそうで利用した時には料金を支払うどころか逆にお小遣いをくれると語っていました。
兄弟は兄にデザイナーであるNASA。妹にダンサーであるMANAがおり三人で「TAMURA KING」という名前のユニットを組み音楽活動に取り組んでいます。
Twitterにて「田村家は10人家族」とツイートしていますが事実関係が掴めていません。公然の場に紹介されているのはあくまでも上記の5名となります。(祖母祖父を含めると7名)
ちなみに兄のNASAは「多摩美術大学生産学部プロダクトデザイン学科」を卒業しており妹のMANAは慶応大学に進学しています。兄とは「美術」の面で、妹とは「学力」の面で能力的に共通点があり「美術・学力」の感性に長けた家族である事がよく分かります。
父親がアメリカの名門オックスフォード大学の出身との事なので頭の良さは血筋なのでしょうね。
学歴
なみちえは東京藝術大学に通っていました。
学校生活を送る中で「学内賞」「平山郁夫賞」を受賞。2020年には首席で卒業しており非常に優秀であったことがわかります。
ファッション
この投稿をInstagramで見る
なみちえは少し大きめのサイズのつなぎのような服を着こなしています。
本人のこだわりについては直接語られているわけではありませんがMVやブログに映し出されているその様子は普段からつなぎのような服を着こなしています。
性格
なみちえは外見に対しコンプレックスを持っています。ガーナ人と日本人のハーフである事から道行く人に「ガイジン」などと心ない言葉を浴びせられることが多く差別的な言動・対応を幼少期から現在にいたるまでずっと受け続いています。
そんな環境である事から友達がほぼできず、東京藝術大学在学中に製作を始めた着ぐるみが完成した時「やっと友達ができたと思った」と語っています。
そんな感情が手伝ったこともあり、着ぐるみを作る事は友達を作っているという感覚であるため製作を続ける事ができました。
しかし、その反面「友達を作る事ができなくなってしまっている自分は生涯孤独でいるしかないんじゃないかな。最近は自分の事を藝術型サイボーグのようで悲しい生き物だと思います」と語っていました。
また、なみちえは非常にまじめな性格で継続力があります。Twitterで話題になっている「ヤッチャレチャレンジ」に「筋トレ連続100日間実施」というお題で取り組みその進捗を写真や動画つきでTwitterで毎日報告し見事達成しました。
チャレンジ前後を比較した写真を見ると顔つきが明らかに変わっているためウソの投稿ではなかったことがわかります。
音楽に芸術にと忙しい毎日の中で1つ作業を増やして継続させる事は決して簡単な事ではありません。
東京藝術大学を主席で卒業する能力を養う秘訣はまさに「継続は力なり」の言葉通り継続力の高さなのかもしれませんね。
趣味
【100日筋トレ成果】
101日目の今日は成果発表でした!
100日間でプチマッチョになれて嬉しい
引き締まったし筋肉量増えたまだまだ続けます!
『休養は魂の筋トレ!!』
タマキン!
【ヤッチャレ2020先導チャレンジャー】
#yachallenge100days@yachallenge1001https://t.co/Dvd2ApFsTP pic.twitter.com/CeFCuTF6By
— なみちえ (@namichi7373) November 3, 2020
なみちえは筋トレが趣味です。きっかけはTwitterで話題になっている「ヤッチャレチャレンジ」です。
「筋トレ連続100日間実施」の内容で取り組み、継続していく中で自分の身体の変化が手に取る様にわかったと語っており、チャレンジ達成後も継続するとTwitterで宣言していました。
完全に趣味になってますよね。継続に挑戦し好きになる・・・素晴らしい経緯ですよね。
またなみちえはハロウィンのコスプレイベントにも参加していました。豹を意識したタイトな服装で、髪形もいつものフリースタイルではなくポニーテールにまとめ上げていていつもと様子が違う色気のある女性に変身している様子をTwitterで知らせていました。
色んなイベントに精力的に参加しているようですね。
なみちえの過去・経歴
この投稿をInstagramで見る
HIP HOPとの出会い
なみちえはアメリカの音楽が好きだった母親の影響でHIPHOPを聞きながら育ってきました。
自分の意思でHIPHOPとふれあい始めたわけではなく自然に「音楽と言えばHIPHOP」のような存在だったと語っています。
母親はアメリカのラッパー「フージーズ」や「ローリーヒル」が好きだったらしく、いつも家の中に流れていたと語っています。
そんな環境で育ってきたなみちえはインタビューの中ではっきりと「ヒップホップが好き」と答えています。
ラップを始めたきっかけ
幼少期から見た目での差別を受け続けたなみちえは大学時代、完全に精神的に疲弊しきっており「偏見や固定概念から解脱したい」と考える様になりました。
ステレオタイプに乗ってやろうという思いでラップを始めます。
具体的な活動としては「東京藝術大学に入学後に周囲から「ナマステ」とあいさつされたりなど低レベルな外国人いじりに対し『全然面白くないよ』という考えをはっきり伝える為に「国人ラップ」という曲を制作。
2016年の大学祭で発表したのがラッパーとしての最初のパフォーマンスになりました。
結果としてはすごくいい評判で終わり、それから「外のイベントにも少しずつ呼ばれるようになり学校の課題でもラップを使う事が多くなりパフォーマンスできる曲も増えた」と語っていました。
ラッパーとしての経歴
なみちえの音楽活動は2016年から始まりました。差別から始まる外国人いじりに対する考え方を自身が通う東京藝術大学の生徒に伝える為に学園祭で「国人ラップ」を披露したことがなみちえの音楽活動の起点となりました。
その後は外のイベントにも少しずつ呼ばれるようになり、2019年には「おまえをにがす」をYOUTUBE上にリリースしこれが話題に。
その波に乗って2020年3月13日に初の1stアルバムとなる「毎日来日」をリリースしました。
デビュー曲
なみちえのデビュー曲は「おまえをにがす」です。2019年5月14日にYOUTUBEにリリースしています。
自身が飼育しているミシシッピアカミミガメをモデルに起用しており、主演であるなみちえに負けないほどの存在感を発揮しています。
ラップスタイル
なみちえは「日常生活」の中で見聞きしたことを自分の中で整理し語るように歌っています。
表現の基底にあるのはこれまで受けてきた差別の記憶です。「ハーフ」という特性を持って日本で生活した人にしか抱けない複雑な気持ちや差別に対する思いが込められています。
これから世間の差別をなくしていく為にも一人でも多くの人になみちえの詩を聴いてもらい、差別的な言動が減っていくことを願うばかりですね。
所属しているレーベルやチームなど
なみちえはソロ活動の他に兄のNASA、妹のMANAと3人で「TAMURA KING」という名のクルーで音楽活動を行っています。
音源づくりはなみちえの頭に浮かんだ言葉から始まりビートはNASA、リリックはなみちえという役割分担で制作しています。
兄も妹もなみちえと同じくクリエイターなので「ふとした通常会話の中からでも何かしら音楽が生まれてくる」と語っています。
更になみちえはもう一つ「グローバルシャイ」というバンドで音楽活動に取り組んでいました。2016年に東京藝術大学の在学生および卒業生で結成された7人組のバンドです。残念ながら2020年10月31をもって無期限の活動休止になっています。
Zoomgals

コロナ渦の直接人と会う事が出来ない状況で生まれた「Zoomgals」。「なみちえ」もメンバーの1人として活動しています。
Marukido、ASOBOiSM、田島ハルコ、valknee、あっこゴリラといった、存在感ある6名の女性グループです。
仲の良いアーティスト
なみちえは元シミラボの「Dプライド」と一番仲がいいと語っています。
お互い歌手として仲良く接しているだけではなく「アーティスト (芸術家)」として尊敬できる相手だと語っていました。
おすすめの音源
なみちえのおすすめの音源は「おまえをにがす」です。
YOUTUBEのサムネを見ると「亀」を持っており単純に「亀を逃がす」という印象を持ちますがリリックには深い理由が込められています。
音源を聴いているとトラックに乗って「逃がす」「苦い」「何が」という言葉が繰り返されることで発音として「nigga」と聞こえてきます。
ちなみに「nigga」とは英語で黒人差別を表す差別用語となっており、幼いころから差別的な対応を受けてきたなみちえは差別用語をあえて発音する事により聴いている人の心に突き刺さる狙いがある事が伝わってきます。
まとめ
今回はなみちえについて紹介しました。他国出身の父親を持つことで外見が純アジア人と比較すると少し違う部分があるというだけで幼いころから差別的な対応を受けてしまい、決していい思い出ばかりでなかったと語っているなみちえですが、勉学や芸術において実績から見て取れるその実力は素晴らしい努力家であることを証明しています。グローバルシャイとしては活動を休止する事になりましたが個人で今後も音楽活動を続けていくとの事なので今後もなみちえのラッパーとしての成長が楽しみですね。